文庫化していたのは知っていましたが、なかなか手に取るチャンスがなく、この度ようやく読了です。もともとは直木賞受賞の時に途中まで読んでいたのですけど、諸事情あって手放し、(単に転職で忙しかったのとお金に困っていただけですけど)、こうして再びめぐり合うことになりました。
やっぱり面白いです。当時も中盤まで一気に読んで「ああ、これはやばいな。眠れなくなるな。」と無理に途中で止めていたのですが、結局今回も2時過ぎまで読んでいました。
当時は確か「まいど一号」だかが世間をにぎわせていたころだったので、そんな感じの話を想定していて、少々「なんか違う」とは思っていたのですが(いうなればただの部品一個の話ですし)、そこにかける情熱は並々ならないものを感じました。
元銀行マンの作者だけあって銀行がらみの話も多いのですが、それ以上に知的財産の取り扱いと、そこに絡んだ駆け引きが面白いのです。そこには主人公の情熱があり、そこにかける熱意が読者の心をつかむのだと思います。
今回は途中で止めず、無理を承知で一気読みしましたが、読み終わった後はとてもすがすがしい気持ちになりました。自分もこういう経営者になりたいものです。残念ながら研究室にいたことも、それどころか大学すら出ていないのですけど・・・。